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寄稿 ワグネル先生

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ワグネル先生は何語で授業を

                   井関孝善 窯業同窓会 会長

 

 なぜこのタイトルで原稿を書いたのか。

現在の無機材料関係教官や学生諸君に,ワグネル先生のことをもっと知って欲しいからです。大学の教育改革初日,41日の大学院新入生歓迎会の席上,新人は約80人だったのですが,ワグネル先生の名前を知っている学生と聞きましたら,10人程度。さらに原子炉研脇にあるひょうたん池前の先生の記念碑を見たことがある学生と聞きましたら,わずか1人位でした。私の学生時代は,ワグネル祭とかワグネル記念講演会など毎年のようにあったので,何回もワグネル先生についての講演を聞いたことがあります。

ワグネル先生については,この320日,日本化学会から認定化学遺産 第038号 『日本の近代的陶磁器産業の発展に貢献したG.ワグネル関係資料』,具体的には旭焼ですが,認定証が贈られました。このことは,すでに同窓会のHPに掲載されています。

ワグネル先生は,実業教育の学校設置を建議し,東工大の前身の東京職工学校が実現すると陶器玻璃工科,現在の無機材料工学科を創設し,さらに機織科(現在の有機材料工学科)の設置を実現されています。ワグネル先生略伝は,ひょうたん池前の胸像レリーフの下にある銅版の記念碑文に書かれています。記念碑の写真は同窓会会員名簿(201411月)の表紙に使われています。歴史を粗末にする組織は滅びるといわれます。

ワグネル先生は,ドイツ生まれですが,日本を愛し,日本で亡くなり,青山墓地に祭られています。日本化学会の化学遺産認定にご尽力された道家先生が,お墓を心配されたそうで,安田栄一先生がこの512日にお詣りに行って来られました。その写真を示します。私も家に帰り昔の写真を探しましたら,1992117日に岡田現副学長と一緒にお詣りしたときのフィルムが見つかりました。墓地は,南1-イ区855/56にあります。ありがたいことに日本セラミックス協会が長年管理をして下さっています。

さて,まえがきが長くなりましたが,職工学校におけるワグネル先生の授業は何語でやられたのでしょうか。ワグネル先生は,語学の天才の様で,ドイツ語はもちろん,フランス語,イタリア語,スペイン語,英語,オランダ語及びデンマーク語をマスターされています。実は,このことについては,同窓会の運営に並みならぬご尽力をいただいた加藤誠軌先生の「ワグネル―日本の近代窯業育ての親―」1に,書かれているのですが,多分その原文と思われる平野耕輔先生の文章を引用しておきます。

「講義の事:私の同期生(4)が始めて先生の講義を聴きましたのは2年生(明治23)で,先生は日本語で炉造法の講義をされましたが,どうも一同が聴き取りにくく困りました為,先生は英文の講義原稿を助手の藤江氏に翻訳させ,之をこんにゃく版に摺り,予め配布を受け,之に依り聴講を容易ならしめたものであります。其努力困苦思うべきであります。」2

 

引用文献

 1)加藤誠軌,薗田義雄,セラミックス,18[1] 57-611983

2)平野耕輔,「恩師ワグネル先生の晩年」,蔵前工業会誌,No.409,昭和132月号,pp.2-6 この文は記念碑除幕式に際して行われた講演によるもので,同文とさらに自筆のデーター8p.を含んで,次の書籍にも載っている。梅田音五郎編,『ワグネル先生追懐集』,大日本窯業協会内故ワグネル博士記念事業会発行,pp.105-127,昭和1310

 

付記:日本化学会の化学遺産認定にご尽力いただいた特命教授道家達将先生(百年記念館にある博物館)や史資料館部門特命教授の広瀬茂久先生からお聞きしたことですが,資史料館ができ,昔の資料を受け取るスペースを確保できたので,皆様の周りにある昔の資料のご提供を歓迎するそうです。ただし,ここに預けるのではなく,寄贈ということで,資料の取り扱いについては,資史料館に任せるということになります。


東京工業大学博物館資史料館
152-8550
東京都目黒区大岡山2-12-1 

TEL:03-5734-3340(博物館事務室)

http://www.cent.titech.ac.jp/Information2/mapA.html


ワグネル先生 青山墓地

ワグネル先生墓地(2016512日)

***2016年5月13日幹事会資料より(安田栄一氏)から***

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