蔵前工業会 平成17年度窯業同窓会総会 議事録
−平成17年6月18日−

日 時:平成16年6月26日(土)14:00〜20:00
場 所:東京工業大学大岡山キャンパス・西9号館

総会(14:00〜14:50) 2階201・202講義室にて   写真紹介  資料紹介PDF(54kB)

1) 開会の挨拶 : 武幹事の司会、金古学年幹事の書記で始まった。

2) 会長挨拶 :  鈴木会長から添付資料―1に沿った内容の挨拶が行なわれた。

3) 定例前行事

3)−1物故者

2004年〜2005年にかけてお亡くなりになった下記同窓会会員13名の方々の紹介、冥福を祈って黙祷が行なわれた。
斉藤久明、角田秀男、松本勝喜、白川清、渡辺一行、川村久彦、 大庭宏、紀本礼一郎、田中博一、須藤育雄、西村哲彦、岩元貞幸、松山勝美

3)−2各賞受賞者の紹介

柳沢和道(セラ協学術賞)、高宮陽一(セラ協功労賞)、田中諭(セラ協進歩賞)、川上克博(セラ協技術省)、大沢栄也(セラ協功績賞)、桑原清治(耐火物協会貢献賞)、寺牛唯夫(耐火物協会若林論文賞)、林剛(耐火物協会若林論文賞)小阪丈予(瑞宝章中綬章)

3)−3優秀学士論文の表彰

優秀学士論文として下記2件の表彰が行なわれ鈴木会長から賞状と記念品の授与が行なわれた。
@ 矢沢亜希さん(鶴見・和田研究室)
   題目:チタン酸バリウム微粒子を用いた三次元コロイド充填体の作成と その誘電特性

A 中村明衣子(岡田・中島研究室)
   題目:水道浄水スラッジを主原料とする結晶化ガラスの作製と特性評価

3)−4卒業50周年記念

卒業50周年記念者として青木進、小川秀治、酒井利和、村杉忠信、豊田万三、 長谷川安利、若尾茂の各氏の紹介があり、出席された小川、酒井、長谷川、若尾 の3氏に会員である村田 浩氏作製の花器を記念品として鈴木会長、村田氏から贈呈された。(小川、酒井、長谷川、若尾が出席予定でしたが出席者は3名でした。)

3)−5最近の学内の動き

大岡山の近況(柴田教授)
 
学科のホームページの紹介、法人化に伴い忙しい現状の説明があり、ワグネルが開いた近代日本陶芸、 先端セラミックスの美・用・学の世界の紹介が行なわれた。

すずかけ台の近況(近藤応セラ研所長)
  応セラ研は全国共通利用機関として10年前発足した。 付属機関として構造デザイン研究センター(10年時限)の最終年にあたり、再出発をすべく運動中である。そのコンセプトとして材料の破壊に伴う被害を小さくなるような材料、即ち「破壊と共生できる材料」を掲げて運動中。

4) 平成16年度事業報告並びに決算報告  

4)−1事業報告 鈴木会長から添付資料に従って平成16年度事業報告が行われた。

4)−2各支部報告

[関東支部];尾島関東支部長から報告があった。
 昨年の主要情事としてワグネス祭に参加。台風直撃にもかかわらず1500名以上の参加で大盛況にて無事終了した。
 また、支部総会では日本未来館にて大同工業大学長沢岡氏の講演「中国の有人飛行はいかにして行われたか。」と見学会並びに親睦会と続き大盛況に終了した。
 今後の活動として、鈴木会長の路線を更に発展させるべく学年幹事・若手会員の勉強会・交流会を活発化していきたい。

[関西地区];堀江関西支部長の報告を尾島氏が代読された。
 関西在住の会員は127名、堀江氏、古丸氏、花房3名が中心となって進めている。
 支部結成可否のアンケート調査の結果、回答率32.3%と反応は鈍く、支部結成賛成者は51%と半数を上回ったものの対象者の2割にも達せず支部結成は困難となった
 今後の連絡先として蔵前工業会西日本センター内に窯業同窓会関西連絡所を立ち上げた。

[東海支部];東海支部長石井氏から報告があった。
  会員数 193名。
  平成16年11月12日鈴木会長をお迎えしてデンソースクウェアにて40名の参加で総会、講演会を行なった。講演は、東海支部会員でもある名古屋工業大学 石澤伸夫先生の「リチウムマンガンスピネル結晶中のリチウム拡散」であった。

[九州地区];古賀 義根代表の報告を中村紀夫氏代読。
 西部地区は九州7県と沖縄の窯業同窓会の在籍者は48名であるが窯業同窓会としては活動を行なっていない。蔵前工業会在籍者が219名いる。蔵前工業会九州支部として活動している。
 年一回の支部総会、懇親会を行なっている。毎回蔵前本部または母校の教授に講演をお願いし、地元企業数社のトピックスの発表が行なわれている。

4)−3決算報告 山内幹事から添付資料に基づき決算報告が行なわれた。

5)平成17年度事業計画書並びに予算

鈴木会長から添付資料に基づき平成17年度事業計画書並びに予算案の説明があり承認された。

6) 役員改選

鈴木会長から窯業同窓会組織図(同ホームページ掲載)を基に役員の紹介があった。その中で鈴木会長は任期1年を残して会長を辞任し、後任に山内 尚隆氏を指名したいとの申し出があり了承された。其の後、柴田教授による鈴木会長の功績・努力に対し感謝申し上げたいとの話があり、引き続き、山内尚隆氏による新会長として、鈴木会長の路線を踏襲し、更に新しい動きを確かなものに育てあげていきたいとの抱負が述べられた。

講演会(15:00〜17:20)2階201・202講義室にて

  (1)工学教育に携わって−社会とのパートナーシップを中心に−
     講師:東京工業大学名誉教授(元,工学部長)水谷惟恭 氏

講演の始めでは2005年がサイエンスのいくつかの記念すべき年に 当たるとお話があり、セラミックッス協会誌の会員数、掲載論文の 減少傾向や、セラミック関連の学科の少なさを指摘された。 高校生、学部生、大学院生と10年以上の長年にわたる現状調査を され、工学系教育をどう改革すべきか示された。
博士課程学生の評価結果でも先生と企業による評価にギャップがあり、 就職について、学生は非常に悩んでいること、先生方も負担に なっていることを示された。 既に、実証的実験として新しい試みを始めていること、 工学系FD研修会で先生方自らが勉強もされていることが紹介された。
講演中では東工大に特有なこと、一般大学に共通なことを示され、 東工大の卒業生として考えさせられるとこがあった。 講演の最後に示された9つの今後の課題が現状の教育問題に おける全てを言い尽くしていると思います。
この3月の退官(今では定年退職と呼ぶのだそうです)後、6月1日より、 ものつくり教育研究支援センターの特任教授として尽力されるそうで、 ”講演のまとめ”で学生の育成には社会(OB)の支援が必要と強調され、 同窓会としても、なんらかの支援をすべきと感じた。
   文責、江上(S51卒)

(2)古い材料に新しい命を−酸化亜鉛の新機能−
     講師:東北大学金属材料研究所教授 川崎雅司 氏

最先端の技術講演としてではなく、研究者として、なぜ研究するのか、 達成・実現目標を明らかにして研究を牽引していくバイタリティが 必要であることと、競争意識、初めから事業化の計画を想定して研究を 進めているという非常に大切なことが印象的であった。
着目点はどこにでもある材料を応用しよう、創薬の分野で使われていた コンビナトリアル研究手法をあたらに導入して、研究効率を非常に高めた。 酸化物、セラミックス材料に、半導体の世界で行われている原子層を 1層ごとに設計、成長させる手法を新たに適用させたこと、 エネルギーバンド理論を電子だけでなくエキシトンに適用して、 物性、発光理論を裏付けたように(フェルミ粒子とボーズ粒子的振る舞いの区 別)、 今までの材料研究に見られなかった設計手法を適用したことが画期的であった。
内容の素晴しさの記述については割愛させて頂きますが、 ”いきなりいい研究が生まれたのではありません”という川崎先生の 言葉が印象的でありました。地道に計画され、課題を一つ一つ、つぶして行く 毎日の研究があって、素晴しい成果を得られるのだと実感した。
是非紫外LEDが実現されることを祈っております。
   文責、江上(S51卒)

懇親会(17:45〜20:00)東工大第一食堂

以上